アイドルの聖地「中野サンプラザ」

東京、中野区にある中野サンプラザは、これまでに数多くのアイドルやアーティストがライブを行なってきて、伝統あるコンサート会場として全国的にも知られています。
1973年に開業してから、中野の顔となるビルです。

客席は2222席で、音響が素晴らしいのはもちろん、客席の傾斜が絶妙で一番後ろの席からでもステージがしっかり見える、ちょうど良い大きさのホールです。
さまざまな演出が行える会場で、アイドルやアーティストが中通路に降りてきてパフォーマンスすることもあり、距離感が近いのも魅力です。
中野は交通の便も良く、立地の良さも特徴です。

建物内には、コンサートホール以外にもさまざまな施設が入っています。
レストラン、ホテル、結婚式場、ボウリング場、インターネットカフェ、プール、テニスコート、フィットネススタジオなど、さまざまな施設があります。
食事のとれるところやホテル、インターネットカフェがあるのは、地方からライブに来たアイドルファンには便利なホールだと思います。

中野サンプラザは多くのアイドルがライブを行なっている「アイドルの聖地」として、長く親しまれてきました。
アイドルがこの会場を満席にできれば、ブレイクの証と言われていました。
武道館に続く一つ前のステップとして、会場に選ぶグループも多く、登竜門的なホールと言えます。
モーニング娘。や℃-uteなどが所属するハロー!プロジェクトは数多くの公演を中野サンプラザで行なってきたのも有名です。

長く愛されてきた中野サンプラザですが、東京都中野区は、中野駅周辺の再開発の一環で、老朽化の進んだ中野サンプラザを2024年度前後に取り壊すと発表しています。
跡地には、現在の中野サンプラザの名称や形状を引き継いで、収容人数3000人から7000人を想定した多目的ホールを建設する計画があがっています。
中野サンプラザでライブをすることを目標にしているアイドルグループも多いと思いますし、取り壊しは、アイドル業界にも大きな衝撃が走っています。

2000人前後の客席のコンサートホールは意外と珍しく貴重で、同じような大きさの会場というと、東京都渋谷区の渋谷公会堂があります。
渋谷公会堂は4年前からの建て替えが終わり、通称は「LINE CUBE SHIBUYA」に決まって、今秋オープンする予定のようです。

サンプラザという名称の同じような施設は各地にいくつかあるのですが、中野サンプラザはとりわけ地域に愛されていて個性的で、解体されるのは寂しいという人が多いです。
歴史もあり、建物自体も中野を象徴するものでしたし、跡地にはまた新しい建物ができるとはいえ、それでもなくなってしまうのは残念だという声が多いようです。
主役はアイドルやアーティスト、そしてそこで行われるライブなのですが、思い出の場所としてその「箱」にも愛着がわいてくるものです。
これから新たな装いでランドマークとなる姿を見守っていきたいですね。